きれいに会社を辞める 円満退職マニュアル
2018/06/06
これから人生の新しい道を歩んでいくことを選択する方へ、会社の退職を円満に行う方法をご紹介します。
人には話さない
会社を辞めようか悩んでいる段階では、仲の良い同僚であっても相談しないようにしましょう。
意志が固まって上司に相談する場合も、直属の上司のみに話します。
そのあとの相談の流れは上司が取り持ってくれます。
強く引き止められて、良い条件をもらい踏みとどまる可能性もあります。
そうした場合に周りに言ってしまったことで自分が不利な立場になることもあり得ます。
上司との話し合いが終わり、退職が確定するまでは絶対に口外しないことが必要です。
就業規則を熟読する
会社との契約の内容を隅々まで読み、熟知しておかなければなりません。
後々面倒なトラブルにならないように、在職中における禁止事項や離職後の振る舞いについても知識を持ちましょう。
また、ボーナスの支払いの時期も確認しておきます。
月日が明記されている場合はその日まで退職の意思を示さない方が賢明です。
きっちりもらってからの退職が望ましいといえます。
半期の営業成績によって賞与額が決められるところがほとんどですが、会社によっては退職者にはボーナスの支払いをしないというところもあります。
相談は退職の2ケ月前までに
会社によって規定が違うとは思いますが、最低でも最終勤務日の2ケ月前までに退職の意思を上司に伝えましょう。
法律的には退職日の14日前に意思を伝えて一方的に会社を辞めることはできます。
ただ、この辞め方は最悪の場合の方法であり、どうしても辞めさせてもらえない時の最終手段です。
この方法は会社に最悪のイメージを最後に与えてしまうのでオススメできません。
ですので早めに退職意思を伝えて会社に迷惑をかけないようにしましょう。
退職前には上司との相談も時間がかかりますし、最後には社長と話をすることもあります。
上司との面談の予約をとるのも大変なのでその時間が必要です。
後任者との役職の引き継ぎもあるでしょう。
時間にゆとりをもっておいた方が会社にとっても自分にとっても楽です。
最初の1ヶ月で上司との相談、最後の1ヶ月は業務の引き継ぎと消化期間と考えるようにしましょう。
会社の悪口は言わない
本当は会社に愛想が尽きて辞めるのだとしても、絶対に悪口は言ってはいけません。
今まで一緒に愚痴を言っていた仲間であっても、最後だけは言わないようにします。
言っていなかったとしても変なウワサが独り歩きするのが普通です。
用心するに越したことはありません。
円満な退職をするにあたって大事なのは悪印象を与えない最後です。
心許せる同僚にも言わないようにしましょう。
退職の理由
面談時に必ず聞かれるのが退職理由です。
会社に対して不満があったのか、改善できる部分はないかを確認してきます。
ここに入るスキを見せてはいけません。
絶対に辞めたい場合は、退職の理由は家庭の事情に徹してください。
きっちりストーリーを作っておき、矛盾が生まれないようにしておきます。
「仕事が辛い」「残業時間が多い」「勤務地が遠い」「人間関係が上手くいかない」などの仕事に関する退職理由は、部署異動によって改善できるため退職は高確率でとめられてしまいます。
家庭の事情であれば会社による改善のしようがないため、引き止められることは少ないはずです。
色んな方法でとめにくることを想定しておき、絶対に揺れることのない覚悟を持って相談に臨むようにしましょう。
退職願と退職届
退職の希望を出す場合は「退職願」、上司との話し合いののち退職の意思が決まり提出するものは「退職届」です。
いきなり退職届を出して失礼をすることのないようにしましょう。
辞表を出すのは公務員です。
会社に雇われているサラリーマンが辞表を出すのはおかしいので覚えておきましょう。
また、手書きの退職届が必要な会社もあります。
所定のフォーマットに記入するだけの場合もありますが、古風な上司がいる場合は手書きが求められる場合もありますので、上司との退職の相談の際にチラっと確認しておくとよいでしょう。
その他の手続き
返却物
貸与品の返却を行います。
ノートパソコンを返却する場合は履歴やデータを削除しておきましょう。
営業車や制服などの返却は洗って返す必要があります。
紛失の場合は自腹で買いそろえてから返却ということもあり得ます。
事前に調べておくことをおすすめします。
有給休暇
給与明細などに記載されている有休休暇の残りを確認して、消化までの段取りを事前に考えておきましょう。
たとえば完全週休2日制の会社の場合、1週間のうちの勤務日5日が有休が使える日で、有休5日・週公休2日というふうに消化していきます。
20日残っている場合は4週間28日かけて消化します。
会社によっては有休消化後に1日だけきて健康保険証の返却や最後の挨拶といった処理をするところもあります。
このあたりも事前に確認しましょう。
退職後の進路
退職後にすぐに再就職するかを問われると思います。
これは税金の支払いと健康保険の切り替えの処理が絡んでいるので気をつけてください。
まだ決まってないのに、見栄を張って「もう次の仕事は決まっています」とは答えないようにしましょう。
仕事がすぐに始まる場合は次の職場で健康保険料と税金の天引きがされるので問題ないのですが、次の仕事をすぐに始めない場合は個人で支払いを行わなければならないため会社に正直に言わなければなりません。
正直にと言っても「まだ決まっていません」だけで大丈夫です。
詳細まで話す必要はないですよ。
健康保険
退職後の健康保険は支払いの方法が大きく4つに分かれます。
どれかひとつを必ず選択することになります。
①源泉徴収
次の転職先が決まっていてすぐに仕事が始まる場合は給料から天引きです。
②任意継続
退職後に仕事がなく空きができる場合の加入方法の一つです。
会社の今までの保険を継続する方法で最大2年間入れます。
扶養家族の保険料が今まで通りかからないメリットがありますが、退職時の収入が基準になりその保険料が2年間続くというデメリットがあります。
今まで会社が半分支払ってくれていた保険料は自分が全額支払うことになります。
詳しくは保険会社に連絡して聞いてみてください。
③国民健康保険に加入
退職後に仕事がなく空きができる場合の加入方法の一つです。
任意継続と比較して保険料が高い傾向がありますが、保険料の減免制度があるメリットもあります。
自治体によって金額が違うので確認して任意継続との比較をした方が良いです。
詳しくは市区町村の役場に行って確認してみてください。
④扶養に入る
退職後に仕事がない場合の手段のひとつで、親または配偶者の扶養に入ります。
正社員の扶養に入る第三号被保険者になれば健康保険の支払いはありません。
身の回りの整理
鞄の中や家にある、不要な仕事の書類も全てシュレッダーにかけて処分します。
そこまで会社から求められずともやっておくと良いでしょう。
家にあるとスペースをとって邪魔ですし、綺麗になくした方が気持ちもスッキリします。
給与明細と源泉徴収票
また、給与明細や源泉徴収票は全て紙ベースで保管しておいたほうが良いです。
私の知人で、会社が払っていたはずの年金が支払われていなくて裁判になっている人がいます。
働いていた時の給与明細や源泉徴収票は残しておいた方がよいでしょう。
お世話になった方への挨拶
対面の挨拶
退職が確定したら、今まで仕事でお世話になった方へあいさつをしましょう。
特にお世話になった方ヘは個人的に会って対面でのあいさつをします。
これも相手の都合を考えて会わなければならないため時間がかかります。
朝礼での挨拶
みんなの前で挨拶をすることもあるかもしれません。
その場合の退職理由は「一身上の都合」で大丈夫です。
朝礼で集まった時に言うことが多いかと思います。
これから仕事をする人達を暗い雰囲気にしないため、特に理由を述べることなくお世話になった感謝の気持ちだけ述べるようにしましょう。
メールでの挨拶
最終勤務日には社内のお世話になった人の全員にメールを送ります。
宛先はTOとCCにはいれず、BCCに入れて送信するようにします。
BCCであれば、送った相手に他の送信先を見られることはありません。
このメールのタイミングは会社によって違います。
最終勤務日に送るのが一般的ですが、その数日前に送信するのがしきたりだったり、1週間前というルールだったりしますので事前に確認しておきましょう。
他の方が退職した際のメールを参考にすれば良いと思います。
さいごに
退職処理はこのように簡単ではなく、かかるストレスは結構なものになります。
ただ、今まで会社で受けていたストレスから解放されると思えば楽になるはずです。
もうひと踏ん張り頑張りましょう!