睡眠の質を高める方法 勉強の秘訣はたくさん寝ること!
2017/12/23
「最近睡眠が足りてない」
「スッキリ目覚めたい」
「途中で目が覚めてしまう」
「寝つきが悪くてなかなか眠れない」
誰もが持つ睡眠に関する悩み。
睡眠をしっかりとって勉強や仕事を元気に行いたいものです。
睡眠の必要性
人間だけでなく生物のほとんどが睡眠をとっています。
哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類、そして昆虫でさえも睡眠を必要としています。
基本的に脳のある生物は睡眠が必要です。
睡眠中は意識がなく無防備で、命の危機にもつながる行為であるのに、長い進化の過程で決してなくなることはありませんでした。
決して欠かすことのできない生物の生命維持活動のひとつです。
不眠のギネス記録
人間は寝ないとどうなるのでしょう?
1964年、ギネス記録を目指した17歳のアメリカ人青年がいました。
彼は連続でどれだけ起きていられるかのチャレンジを行い、結果は264時間12分、11日間の不眠記録を樹立しました。
しかし彼の言動は日に日におかしくなっていき生命の危機ともいえる状態に陥っていきました。
2日目
- 頭痛・めまい
- 目の焦点が合わなくなる
- 立体感覚が低下する
3~5日目
- イライラ・落ち込みなど感情が不安定に
- 記憶力・思考能力の低下
- 体力・運動機能の低下
6~8日目
- 幻覚症状の発症
- 体が震える
- 言語障害が出る
9~11日目
- 会話がまともにできなくなる
- 無表情になる
- 左右の目がバラバラに動く
彼はこの記録の後、15時間寝続けて徐々に生活リズムを取戻し、通常の生活ができるまでに回復しました。
ギネス記録はいったん認定されましたが、そのチャレンジの記録があまりに危険なため後続者が出ないように記録は削除されてしまいました。
睡眠の効果
- なぜ生物は眠るのか。
- 眠っている間に脳の中で何が行われているのか。
- 夢は必要なのか。
睡眠についての研究は長年の間謎が多かった分野ですが、近年の研究で徐々に睡眠が人体に与える効果がようやく解明されてきました。
成長ホルモンの分泌
「寝る子は育つ」とよく言いますが、骨や筋肉を丈夫にして身長を伸ばすのは寝ている間が最も活発です。
これは 成長ホルモン と呼ばれる脳内物質が寝ている間に多く分泌され成長を促す命令を送っているからです。
成長期の子供はたくさん睡眠時間が必要なのですが、テレビやゲーム、スマホを夜遅くまでやっているとその成長を妨げることになります。
成長期の子供だけでなく、大人であってもこの成長ホルモンは重要な役割を持っています。
成長ホルモンには 細胞を修復し疲労を回復する効果 があります。
睡眠不足でお肌が荒れるのは、この成長ホルモンの分泌がうまくいかず細胞の回復ができないからです。
筋トレで疲労した筋肉を超回復させるのもこの成長ホルモンです。
記憶の定着
東大に合格した受験生は平均して7時間の睡眠時間をとっているというデータがあります。
徹夜で一夜漬けの勉強をしたり1日3時間と睡眠時間を削って勉強しても、脳に記憶はあまり残らずその場限りの知識となります。
私たちの体は睡眠によって 脳に記憶を定着 させている仕組みでできています。
脳細胞や神経細胞が作られるのも、成長ホルモンが出ている睡眠中だからです。
睡眠時間をしっかりとり、心をリフレッシュしたうえで昼の勉強に専念した方が集中力も増し、効率良く知識が吸収されるのです。
理想の睡眠時間
- 10時間寝たけどまだスッキリしない…
- 体のリフレッシュには何時間の睡眠が必要?
- 休みの日は思いっきり寝たい
- 日中のダルさをなんとかしたい
- 疲れが抜けきらない
あなたは自分の必要睡眠時間をご存知でしょうか?
年齢別の理想の睡眠時間
年齢によって適正な睡眠時間は異なります。
年齢が若い方が脳の動きが活発で、知識の吸収も多く行うため必要睡眠時間が多くなります。
ご年配の方が朝早起きなのは必要睡眠時間が少ないからです。
経験をたくさん積むと新しいことを覚えることもなくなるので脳の活動が少なくなります。
日中の体の動きも穏やかであり、体や脳を休ませる時間が少ないので睡眠時間も少なくてすむのです。
もちろん、年齢にかかわらず疲労が多い日はたくさん寝る必要がありますし、あまり動かなかった日はそんなに寝る必要はありません。
上の表の指標はあくまで平均値であり、個人差があります。
目安としてお考えましょう。
睡眠過多による悪影響
寝不足とは反対の 寝過ぎも実は体に良くない んです。
脳の休憩状態が起きた後にも続くことになり、日中でもボーっとしてしまう原因になります。
また、ずっと横になっていることにより腰痛を引き起こすこともあります。
休日に余分に多く寝て、次の日以降の分の睡眠を先にとっておく「寝だめ」をあなたもやったことがあるのではないでしょうか?
「寝だめ」は全く意味のないことであり、体内リズムを壊すことにも繋がるのでやめたほうがいいですよ。
スッキリ目覚めるために
- 中途半端に目覚めるとイライラする
- なかなか目覚ましで起きれない
- 寝起きの強烈な眠気をなんとかしたい
- いつも遅刻しちゃう
こんな方は 睡眠時間を意識して目覚ましをかける ことをオススメします。
1.5の倍数で寝る
みなさん「レム睡眠とノンレム睡眠」はご存知でしょうか?
睡眠の間に脳は浅い眠り「レム睡眠」と深い眠り「ノンレム睡眠」を繰り返しています。
眠りはじめは浅い眠り、そこからだんだん深い眠りに入り、また浅い眠りが訪れます。
これを何度か繰り返して体と脳を回復させています。
この 周期が約1時間半 と言われています。
1時間半、3時間、4時間半、6時間、7時間半、9時間といった1.5の倍数時間で浅い眠りが訪れます。
つまりこの時間を目がけて目覚ましをかけることにより、体に負担をかけることなくスッキリ目覚めることができるというわけです。
たとえば夜10時に寝る場合、8時間後の6時で起きるよりも7時間半後の5時30分で起きる方が目覚めが気持ちよいということです。
6時に目覚ましをかけると、なかなか起きることはできず二度寝して7時に起きることになってしまうかもしれません。
この1時間半の周期には若干の個人差があります。
自分なりの一番スッキリ目覚められる時間を見つけてみてください。
スムーズに眠りに入るために
睡眠のメカニズムは 自律神経 が大きく関わっています。
自律神経がうまくコントロールできないと、寝付きが悪かったり睡眠が浅くてすぐに起きてしまったりということが起きます。
自律神経の詳しい内容と、コントロールの仕方を詳しく見ていきましょう。
交感神経と副交感神経
交感神経と副交感神経の2つをまとめて自律神経といいます。
≪ 交感神経 ≫
起きている時に働く神経。
集中したり運動したりする時に優位になり
血管を拡張して体に酸素を運びやすくしてくれます。
≪ 副交感神経 ≫
リラックスする時に働く神経。
寝転がっている時や睡眠の時に優位になり
血圧や心拍数、呼吸数を下げて休息を促してくれます。
この二つの神経はシーソーのようにバランスよく働いており、交換神経が優位な場合は副交感神経が静まり、副交感神経が優位の場合は交感神経が静まるように成り立っています。
車で言うアクセルとブレーキのようなものですね。
睡眠の質を高めるためにはこの自律神経のコントロールを行い、副交感神経を優位にする行動を意識するようにしましょう。
寝る前にお風呂に入る
睡眠に入る前の人間の脳の温度を測ってみると、平常時よりも少し低い温度になっていることが研究でわかりました。
逆に言えば、脳を冷やしてクールダウンさせることで眠りにつくことができるということです。
これを利用して、すぐに眠りに入れるように自分を導いてあげましょう。
脳の冷やし方としてオススメなのは、「寝る前にお風呂に入る」です。
寝る前にお風呂に入り、体温が一度上がってから下がっていく中で脳の温度も下がっていきます。
こうして自然に眠くなるようにしてあげましょう。
気持ちをリラックスする効果もかねて 寝る1時間前にお風呂に入る のがベストです。
ちなみに、氷枕で頭を冷やしても「寒い」「つめたい」などの不快感のほうが大きくてリラックスできず逆効果なのでダメですよ。
生活リズムを整える
早寝早起きの習慣を身に付けましょう。
睡眠の理想の時間帯は夜22時~2時と言われ、この時間帯は 「睡眠のゴールデンタイム」 と呼ばれています。
たとえば7時間半寝る場合、22時に寝て5時30分に起きるようにします。
この体内リズムを作ってしまえば、22時前に自然と眠くなるようになります。
寝る前には食事を控えるようにしましょう。
食べ物の消化をするために内蔵の動きが活発になります。
すると睡眠に使うべき体力を消化器官に使うことになり、睡眠の質が低下します。
食事は最低でも 寝る時間の3時間前まで にしましょう。
また、仕事のできる人やお金の貯まる人は「朝活」を行っています。
朝起きて朝食を良く噛んで食べ、運動を行ったり、読書を行ったり、趣味を行ったりします。
人間の脳は 朝起きてから2時間が最も脳が活発 に働いており、何か知識を吸収したり集中するのに最適な時間であることを皆さん知っているのです。
また、一晩寝ると嫌なことも忘れて1日が新しく始まるので心がリフレッシュされた状態で物事に取り組むことができます。
やるべき宿題や課題も、夜やるのではなく早く寝て次の日の朝に行うようにします。
夜早寝早起きを心がけ朝の集中力が高い時間を有効活用しましょう。
朝に日光を浴びる
ヒトは原始時代から日の出とともに起きて日の入りとともに寝るという生活を行っていました。
火を自在に操るようになり、電球で光を得たのは、ヒトの歴史から見ると本当に最近の話です。
人間にはその遺伝子がしっかり受け継がれています。
日光を浴びることで体内にセロトニンとビタミンDが生成されます。
セロトニンには夜に自然と眠くなるような体内時計を生成する効果があります。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける、骨や筋肉の成長に必要な成分です。
適度な日光浴はガンのリスクを減らすともいわれています。
具体的には 朝に15分ほど日光浴 をして光を浴びましょう。
15分ほど散歩することで日光浴と運動が同時にできるのでオススメですが、室内にいる場合は窓のそばで仕事をするだけでもOKです。
逆に、夜寝る前に光を浴びる行為はNGです。
テレビやパソコン、スマホの光は特に「ブルーライト」と呼ばれる目に悪い青い光が含まれているため目の疲労を高めてしまいます。
画面に集中することにより交感神経を高めてしまうことにも繋がります。
まとめ
質の良い睡眠を送るために、以下のことを注意して生活習慣を身につけるようにしましょう。
- 起きて日光を15分あびる
- 食事は寝る3時間前に済ます
- お風呂を寝る1時間前に入る
- 暗い所で寝て、スマホやPCは見ない
- 22時から寝る
- 適正な睡眠時間を意識する
- 1.5の倍数の睡眠時間になるように目覚ましをかける
これを意識することで睡眠の質を上げることができます。
外国諸国と比べて日本人は睡眠時間が少ないことがアンケート調査で分かっています。
世界の平均睡眠時間が7時間に対して日本人は6.2時間と少ない結果です。
これは日本人は勤勉で労働時間が長いことと繋がっていると言われています。
睡眠時間を削って仕事や勉強をすることは、脳の仕組みに反しており非常に非効率といえます。
勉強や仕事を集中して効率的に行い脳に記憶を定着させるために、脳や睡眠のメカニズムを知り良質な睡眠を心がけて行うようにしましょう。