田舎も便利になれば人は住む!ふるさと納税の可能性
2018/03/30

田舎で生まれた子供は育って地方都市に出ていきます。
これはどうしようもない流れです。
特にインターネットが発達し簡単に情報が手に入る今の時代は、都心部への憧れというものも50年前と比べると大きいと思います。
地方が活性化しないのは「不便だから」や「仕事がないから」です。
たとえば近くに病院がなかったり、近くにスーパーがなかったり。
なにをするにも車で30分以上かけて移動しなくてはならないため、不便を感じて出て行ってしまいます。
「田舎にいても仕事がないし・・・」先入観だけでそう思っている人も多いです。
Uターン・Iターン
Uターン…育った地元に帰る
Iターン…都市の人が地方に移り住む
地方に戻りたいという若者もいるんですよ。私のように(若者と言えるかどうか…)。
ブラック企業で勤めて肉体的にも精神的にもボロボロになり、ゆっくりとした時間をすごしたくなった人もいると思うのです。
そうした人たちの行き先をもっと用意できたらいいのにと感じます。
「住みやすければどこでもいい」という考えの人もいます。
今はインターネットが発達しているので、たとえば自分が作ったアクセサリーをネットで販売することで稼いだりすることも可能です。
最低限の暮らしができればそれでよいといった価値観の人もいます。
保育園に子供が預けられないから都会から離れたいという家庭もたくさんあります。
そうした考えの人を呼び込む営業を、地方自治体はもっともっとやってほしいと思います。
まだまだ受け入れ体制が整っていません。
ふるさと納税の可能性
地方再生のカギはふるさと納税が握っていると私は思います。
ふるさと納税とは?
ふるさと納税とは、自分の地元や応援したい地域を選んでお金を寄付する仕組みです。
2008年から始まりました。地方から出て都市で働く人々の「地元に貢献したい」という気持ちを応援してくれます。
寄付した金額に合わせて納税額が減ります。
確定申告で所得税が還付されたり、来年度の住民税が減ったりします。
さらに地方での使い道をこちらで指定することも可能です。
たとえば「子育て支援に使ってほしい」とか「震災復興に役立ててほしい」などです。
また、地方からのお礼の特産物が届きます。
高級和牛・蟹・お米・りんご詰め合わせ・郷土料理などの品が届き非常にお得だと話題になっています。
通常は勤務地で納税していても何ももらえませんが、ふるさと納税では豪華な品を手に入れることができます。
同じ金額を支払っていても返礼品をもらえる分お得ということです。
まとめ
●好きな地域を選択してお金を寄付
●金額に応じて税金が控除される
●使い道を指定できる
●地域の特産物がもらえる
●普通に支払うよりもお得
※ザックリとした説明です。細かい計算などは省いています。
地方自治体によって金額の上限やルールがそれぞれ異なります。
納税する人の想い
「地元を活性化させたいという思い」がふるさと納税の寄付額を増やしています。
使い方を指定できてふるさと納税者の期待に応えてくれるというのが嬉しいですね。
もちろん、返礼品目当てでふるさと納税している人もいるでしょうが、それでも地方に対する思い入れを忘れてはいません。
「少しでも足しにしてくれれば」という思いが少なからずあります。
過去のWebでのアンケートでは「納税はするが特産物は別にいらない」と答える人がなんと3割もいたそうです。
みんなそれぞれの思いで納税しているんですね。
制限を求める声
その一方で、この制度によって減収の激しい東京都が「返礼品を減らすべき」と声をあげています。
各自治体の返礼品の金額が競争によってどんどん膨らんでいて、多い所では寄付金の半分の額の返礼品を送るところまで出てきています。
たとえば6万円寄付した場合には3万円相当の返礼品が送られてきます。
この場合の返還率は5割ということになります。
これは少しやりすぎでは?ということで返還率の上限を5割から3割への変更してはどうかと検討されているようです。
返礼品の減量によってふるさと納税をやめる人も少なからずいるとは思います。
また、特産物の生産量が減ることになり地方の人々の仕事も減ることでしょう。
競争が苛烈化しているのが問題とは言いますが、地方自治体の人たちの「地方再生をしたい想い」があるからこその競争だと私は思います。
今の役場仕事を見るに、そのぐらいの競争はあっても良いのではないでしょうか。
地方創生
ふるさと納税は、税金の地方分配を目的として施行されましたが、その経済効果に注目するべきだと思います。
返礼品である特産物の需要が増えて供給を上げようとすると、そのぶん地元の人たちの仕事や雇用が生まれます。
いままで埋もれていた地域の名物を全国に知ってもらうきっかけにもなりますよね。
特産物や郷土料理が有名になれば、観光客も増えてさらに地方が盛り上がります。
地方の収入が多くなれば、その分社会福祉に回す資金もできて学校や病院といった施設を建てることができます。
お金があれば人材や民間企業の誘致だってできます。
これは結果的に日本の人口も増やすことにも繋がります。
若い子育て世代にあたる人たちが、都会に暮らして朝5時起き夜11時帰宅をしているようでは子供を産もうという気になれませんよね。
ふるさと納税によって地方が力を取り戻すことが、日本のこれからの成長を支えることになります。
便利になれば人は住む
私がここで言いたいのは、人は便利なところに住みつくということです。
過疎化が進むのはひとえに不便だからです。
便利なら人は出ていかないですし、一度出たとしてもまた戻ってくるでしょう。
生活に困らないだけの収入を得ることができて、水道・ガス・電気が通っていて、病院・学校・スーパーなどが近くにあれば暮らしていくことができます。
あとは引越しの資金補助や仕事の斡旋をしてあげれば人は移住してきます。
その仕組みができていないのが課題です。少子高齢社会は”なった”のではなく、仕組みが”そうさせた”のです。
流れを変えたければ仕組みを根本から変えるしかありません。
小学校の統廃合が今でも進んでいますが、それをただ見ていた自治体がいけません。
現状維持で昨日と同じことを続けていては、維持すらなく下降していく一方です。
これまでのやり方や考え方は全て捨て去って、住みやすい町をゼロから考えて行くべきです。
ふるさと納税は、地方の財源を確保して地方再生する大きなチャンスです。
この機会を活かして長期的な計画を立ててうまく復興してもらいたいですよね。