【プラシーボ効果】思い込みの力を利用する

      2018/03/30

「プラシーボ効果(プラセボ効果)とは、薬効成分のない偽薬を飲ませても患者の症状が回復する効果のことです。

「酔い止めの薬」と言われラムネを飲まされると車酔いしなくなります。

 

「病は気から」ということわざもあるように、気の持ちようによって健康状態は変化することもあり、時に能力の向上もみられることが分かっています。

 

 

プラシーボ効果の実例

●ある大学の実験でこんなことが行われました。無作為に選ばれた学力の平均的な学生に「あなた達は優秀な生徒として選ばれました」と言われその後勉強に取り組んでもらいます。すると何も言われなかった生徒と比較して1年後の平均点が20点あがったそうです。

 

●ガンで余命数週間を宣告された患者が「新しいガンの特効薬」と言われた偽薬を服用したところ症状が回復し、退院して日常生活が送れるまでになりました。しかしその数か月後のニュース報道で「偽薬」ということが明らかになるとたちまちその人のガンが再発し入院することになったそうです。

 

●うつで悩む人に抗うつ剤として偽薬を投与したところ約半数の人が症状改善したそうです。

 

プラシーボ効果の応用

日常生活や仕事においてこの思い込みの力を利用して成果をあげることを考えていきましょう。

 

①自己暗示

まずは自分をだまして活用する方法から見ていきましょう。

 

ダイエット

ダイエットに効くドリンクやサプリを飲む時には、その効果を声に出してじっくり味わいながら摂取しましょう。

のどごしや胃に入っていく感覚を確かめながらより吸収されることを意識するのです。

体の脂肪が燃焼しやすくなるように変化してきます。

 

筋トレ

「今ここの筋肉を鍛えているんだ」という意識を持って筋トレします。

 

人間は様々な筋肉を使って動作を行います。

何も考えなしに筋トレしていると鍛える部位だけでなくその他の筋肉も利用して無意識のうちに一番楽な動きになっていきます。

反動を使って起き上がったり、フォームが変わったりと負荷を軽減するために他の筋肉が働くのです。

 

鍛える筋肉を意識することで余計な筋肉を動かさずにその部分にのみ負荷をかけることができるのですが、それに加えて脳が潜在意識の中でより筋疲労を超回復させようという働きが生まれます。

 

美容・アンチエイジング

アサイーやブロッコリースプラウトなど、アンチエイジングに効果のある食べ物もその効果を信じるか信じないかによって効果の現れ方が変わってきます。

化粧水を使うときには肌に染み渡り浸透していくイメージで使用します。

そして前より綺麗になったと思える箇所を見つけ喜びましょう。他の箇所にも効果が現れることでしょう。

 

占い・お守り

「今日のあなたの運勢・ラッキーアイテム!」

テレビやラジオなどで良くやっている占いですが、良い結果の時はその言葉を信じて思い込んでみるのも良い方法です。

「恋愛で積極的になれるかも」「仕事であなたの案が採用されるかも」などという言葉に乗って行動すると新しい運気が開けるかもしれません。

 

スポーツ

ラグビーの五郎丸選手がキック前に行う「五郎丸ポーズ」。

これはポージングによって精神状態を落ち着かせ、成功を祈るおまじないです。

「これを行って以前成功した」という前例を思い起こし、「次も絶対うまくいく」という自己暗示をかけているのです。

 

野球のイチロー選手もバッターボックスに入る前と打つ前に毎回同じポーズをとります。

一流のスポーツ選手にはこうした自分だけの集中力の高め方を持っています。

プレイ前に儀式を行って集中に必要な心の準備をしているのですね。

 

あなたもゴールを決めた時や良い記録が出た時に行っていたことを思い出して自分なりのルーティンを作ってみましょう。

 

 

②他人への暗示

他人をだまして良い成果を上げる活用法です。悪用厳禁ですよ!

 

勉強

「これを食べると成績が上がる」といいビタミン剤を与えてください。

実際にビタミンB1は脳のエネルギー源であるブドウ糖の吸収を助けてくれる効果があります。

その効果をより大きくさせるために暗示を活用しましょう。

 

痛み止め・睡眠導入

酔い止め薬と同じように、その薬として与えると鎮痛剤や睡眠剤としての効果も期待できます。

鎮痛剤を飲んで5分も経たないうちに痛みが引くことがあるのはプラシーボ効果のせいです。

 

 

気を付けたいこと

プラシーボ効果は良い方向だけに作用するものではありません。

ネガティブな考えでいれば悪い方向へ転がっていくということです。

「どうしてお兄ちゃんにはできてあなたにできないの」「自分はダメ人間」「頭悪いよね」などといった言葉は本当にその人をダメにしてしまいます。

特にプラシーボ効果はマイナスの働きかけのほうが効果が大きいとされています。

 

言霊(ことだま)という言葉があるように、良い言葉を発すると良い事が起こり、不吉な言葉を発すると悪いことが起こることが昔から言われています。

後ろ向きな言葉、ネガティブ発言、悪口、愚痴は自分にも周りの人にも良くないことばかりですので言わないようにしましょう。

 

 

さいごに

「プラシーボ効果」によって科学的根拠の薄い不思議な作用をもたらすことがあることを理解していただけたでしょうか。

飲むだけで健康になれると愚直に信じるというのは「バカみたい」と少し疑わしいものを感じる人もいるかもしれません。

 

ですが人間の脳はじつは案外騙されやすいもので、まだまだ今の脳科学は解明途中段階の分野なのです。

思い込みの力をうまく利用することで人生を良い方向へと変えていきましょう。

 

 

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