色を利用して自分をコントロール(色彩心理学)
2018/06/03
色が心理に与える効果はご存知でしょうか?身の回りにあるものには色彩心理学を利用して色づけされているものが多く存在します。
スペインの闘牛士は赤いマントで牛を興奮状態にし闘争本能を引き出しているとよく言いますよね。
実はあの赤いマントは見ている観客の心も興奮状態にする効果を狙っているのです。
今回は色の特性を理解し自分や相手をコントロールする仕事術・勉強術をご紹介したいと思います。
赤 Red
赤はパッと見でも目立つことから危険を知らせる色としてよく使われています。
・警報ボタン
・消火器
・消防車
・道路標識
赤は火を連想させることから「暖色」とよばれ温かみを感じる色としても使われています。
・カイロ
・温かい食べ物のパッケージ
赤は血液や果実を連想させ興奮や生命力を感じさせる色としても使われています。
・広告デザインで購買意欲をかき立てる
・企業のロゴデザイン
・真っ赤なドレス
・赤十字
日本の風習で赤は魔除けの意味があり、物事の始めに合格・無事・成功・達成を願う色として使われます。
・紅白の垂れ幕
・赤飯
・だるま
・お守り
赤で心理コントロール
①赤は生命力あふれる情熱的な色ですので、積極的に行動したいときや気合を入れて自らを奮い立たせたい時に活用しましょう。
たとえば
・赤いハチマキをしめて勉強する
・赤いラケットでテニスをする
・赤い服を着て出かける
②目立つ色なのを利用して、英単語などの覚えたい言葉を目にする機会を増やすのに活用できます。
たとえば
・赤い付箋で家中に英単語を貼っておく
・赤いマーカーをひく
ただし、やりすぎはかえって目立たなくなるのでNGです。
橙 Orange
橙はあたたかい家族的なイメージがあるため家族向けサービスでよく使われます。
・ファミレス
・スーパーマーケット
・郵便局
・大型ソファ
橙は太陽を連想させ、明るいイメージから多くの人が好印象を抱くため良く利用されます。
・企業のロゴ
・Webサイトテーマ
・接客系の人員募集ポスター
橙で心理コントロール
①橙は親しみを感じやすい色です。
会話を弾ませたい相手に対して橙色をさりげなく見せてみましょう。
たとえば
・メガネのフレームを橙色にする
・電球色のライトの中で一緒に食事をする
②橙は食欲を増幅する効果があるので、元気がなくて食欲不振の時に見るとよいでしょう。
食べ物に関連した商売でも役に立ちます。
たとえば
・料理に橙色のもので彩りを添える(人参、パプリカ、サーモン)
・料理系のWebサイトの基調を橙にする
③太陽のようなあたたかい橙色に人は安心感を覚え、不安やプレッシャーを解消してくれます。
たとえば
・試験前や試合前に橙色の物を見る
・電球色のライトで夜は心を落ち着かせる
黄 Yellow
黄色はゴールドを連想させることから金運が上がる色として使われます。
・黄色の財布
・黄色のフクロウの置物
黄色は光を連想させることから明るく楽しい雰囲気を出すのに使われます。
・春の洋服
・黄色のキャラクター
黄色もまた赤と同様、目立つ色ですので危険を知らせるためにも使われます。
・小学生の帽子
・道路標識
・電車の踏切
黄色で心理コントロール
黄色には知性を刺激して行動力を高める効果があります。
ひらめきが欲しい時、記憶力を上げたいとき、集中したい時など勉強や仕事で大いに効果を発揮します。
たとえば
・黄色の文具を使う
・黄色のカバーで本を読む
・黄色のマーカーで線を引く
緑 Green
緑は草や森を連想させることから、自然を感じる色で安全・安心のイメージとして使われます。
・自然由来の成分で作った化粧水
・無農薬無添加の食べ物
・スーパーの野菜売り場
草木は伸びて生育することから、新しいスタートやこれからの成長を願う色としても使われます。
・新しく始まったサービス
・初心者マーク
緑で心理コントロール
①平和的、柔和的、親切的といった印象を与えるため、穏やかな良い人間関係を構築したい時に活用できます。
たとえば
・緑の服を着る
・フレームが緑のメガネをかける
・緑が多い場所で一緒に食事をする
②緑は気持ちをリラックスさせる効果があります。
眼精疲労を癒す効果もあるため、パソコン仕事や勉強、運転などで目が疲れた時には緑を見て心を和ませながら疲労回復しましょう。
たとえば
・窓際に観葉植物を置いておく
・窓から見える外の自然を眺める
・お風呂の入浴剤で緑の物を使う
この時、香りを一緒に感じることで癒しの効果がさらに高まります。自然の香りを感じられるものにしましょう。
青 Blue
青は海や水のイメージから冷たい「寒色」として使われます。
・スポーツドリンクのデザイン
・プールの底の色
・清涼感あるガムや飴のパッケージ
晴れやかな空の青をイメージさせることから爽やかな色として使われます。
・企業広告
・男性のイメージカラー
濃い青は暗い夜を連想させることから睡眠を促す色としても使われます。
・睡眠に関する書物
・寝具のデザイン
青で心理コントロール
①青は気持ちを落ち着かせる鎮静効果があるため、冷静な判断を行う時に青色のものを活用しましょう。
たとえば
・書類のファイルを青色にする
・青色の文具を使う
②青は睡眠導入にも効果があります。
心を鎮めて副交感神経を作用させ、呼吸や脈拍を落ち着かせて眠気を誘ってくれます。
たとえば
・青色の枕カバーや布団を使う
・青いパジャマを着る
③青には爽やかや誠実といったイメージがあるので、真面目さを強調した広告で使用するのも良いです。
たとえば
・情報系Webサイトのデザイン
・事務系の人員募集のポスター
④青い食べ物が自然界にほとんどないことから、青には食欲を抑える効果があります。
ダイエットで空腹を我慢したい時や腹八分目で抑えたい時に見ると良いでしょう。
たとえば
・青い箸を使う
・青いランチョンマットを敷く
・冷蔵庫の中のライトに青色のフィルムを貼る
紫 Purple
紫は赤「情熱」と青「冷静」を掛け合わせた色で、両方の特性をあわせ持つ特殊な色です。
そのためプラスの面とマイナスの面がその時の場面によって変化して現れます。
昔からの日本の文化で、紫は高貴で上品な色として使われてきました。
紫を出すための染料が貴重であり、高貴な人しか染物が手に入らなかったためと言われています。
聖徳太子が飛鳥時代に定めた「冠位十二階」では紫は最高職位の色とされていました。
・紫のふろしき
・紫の着物
反して、紫は性的で艶やかな色とも言われます。
妖艶でいやらしいムードを醸し出す色として使われます。
・紫のネオン
・紫の下着
紫にはこうした、上品と下品の2面性をあわせ持っています。
また紫は自然界には少ないことから、怪しくミステリアスなイメージもあります。
・魔法
・紫水晶
・占い
・悪魔
紫で心理コントロール
紫は占い師やカウンセラー、セラピストが良く好む色で、昔から神秘的な色として使われてきました。
一度立ち止まって自分を見つめなおしたり、気持ちを落ち着かせて正常な心理状態にする時に効果を発揮します。
不安を取り除きたい時、精神の安定が欲しい時など瞑想するときに紫を見るようにしましょう。
たとえば
・寝室を紫色のライトで照らす
・紫色の入浴剤
この時、シータ波を発生させる音楽を一緒に聞いてリラックスしましょう。
ピンク Pink
ピンクは恋愛・幸福・思いやりをイメージさせます。
・ハートの模様
・プレゼントの包装紙
・リボン
ピンクは可愛らしい女性らしさを表す色として用いられます。
・女性の服
・チーク,リップ
・ヒロインのキャラクター
ピンクで心理コントロール
①ピンクは若さを意識することから美容効果が生まれるとされています。
女性ホルモンの分泌を助けてくれます。
たとえば
・部屋のアイテムをピンクにする
・ピンクの小物を持つ
②ピンクの服を着ることで相手に対して思いやりの気持ちを持っているような優しい雰囲気を与えてくれます。
身に付けることで気分が高まり、優しいピンクのイメージに準じようと行動も自然と優しくなります。
たとえば
・メイクにピンクを取り入れる
・服にさりげなくピンクを入れる
・財布やバッグをピンクにする
・スーツのシャツをピンクにする
黒 Black
黒は落ち着いた大人の高級感を出すのに使われます。
・フォーマルスーツ
・靴や時計
・クレジットカード
黒は威厳のある、高圧的な色としての効果も持ちます。
・高級車
・サングラス
黒は影や闇を連想させることからマイナスのイメージも多くつきます。
・葬式
・犯罪
・黒星
・ブラック企業
黒で心理コントロール
①相手に上品な大人の印象を与えたい時に黒いものを利用すると良いでしょう。
たとえば
・黒のフレームのメガネ
・オシャレがテーマのWebサイト
・黒のドレス
②ツヤのある黒は高級感や敷居の高さを演出してくれます。
たとえば
・ステイタスの高さを感じさせる商品の広告
・料理の器を漆黒にする
③黒は重みを感じる色であることから、筋トレ器具を黒にすることで効果や達成感を増すことができます。
たとえば
・黒いバーベル
・黒いエアロバイク
白 White
白は汚れていない綺麗な状態を表し清潔・清楚なイメージをもちます。
・ウェディングドレス
・医者の白衣
・色白の美肌
素直で嘘がない、真面目といった印象を与えることから仕事でもよく使われます。
・営業車
・スーツのシャツ
白はどんな色との組み合わせに合うため万人受けする色です。
・白のニット
・家電製品
・家の壁紙
光を最も多く反射し白く輝くところから、神聖なものを表すのに使われます。
・白馬
・天使
・神様
白で心理コントロール
①黒とは反対に、実際より軽い印象を与えます。
たとえば
・白の洋服を着る
・明るいファンデーションをぬる
②白を見ることで、頭の中がまっさらな状態をイメージでき気持ちをリセットするのに使えます。
たとえば
・試験でうまくいかなかった時に白紙を見て気持ちを切り替える
③汚れがちな部分を思い切って白にしてしまいましょう。
汚したくないという心理を利用してしまうのです。
たとえば
・キッチンテーブル
・車のボディカラー
・ソファ
・カーペット